初めての試合でのタックルは選手達の記憶にどのように残っているでしょうか。痛みが伴うタックルには勇気が必要ですが、同時に恐怖心を克服するためのマインドや習慣も成功への鍵を握ります。
このページでは、タックルの恐怖心をひも解き克服のキッカケとなる方法を紹介致します。
1.恐怖心を克服・・・恐怖の理由を明確に
積み重ねた練習はプレーの土台となりますが、実戦で活きるかどうかは経験とセンスが必要です。
試合になれば相手の事もよく分からないままタックルをしなければいけません。故に多少の緊張が生まれます。それは僅かな思い込みをするだけで、気が付けば恐怖を覚える事にもなります。
生まれた恐怖を克服する為には、その根本と向き合うべきでしょう。
主にタックルの恐怖心となるものは以下のようなものです。
・相手がどれくらい強く早いのか、自分の力量と測ってしまおうとする時。
・相手に抜かれてしまいピンチを作ってしまわないかという恐れ
・怪我に対する恐れ
相手の力量を測ってしまう時、自分に対応できる相手かどうかを考える事により本来のパフォーマンスが十分に発揮できなくなります。
それは緊張を生み相手に先手を取られる結果にもなってしまいます。
なぜなら力量を測る時、人は本気を出さない事が多いからです。相手の力に合わせて自分に必要なパフォーマンスをしようとします。
これは、日本人はスロースターターと言われる所以(ゆえん)でもあります。
相手にタックルが入れず抜かれてしまうならピンチを招きチーム全体の統率が乱れやすくなります。
ラグビーの選手人数は15人と多いですが、1つのミスで残り14人がそのミスをカバーしなければいけません。そのミスをカバーできない場合は、無論相手にトライを許してしまう事になります。
また、痛みの恐怖はほとんどが経験によるものです。
タックルにより怪我をした場合、再発を恐れ満足にタックルに行けなくなります。その場合、強いタックルが出来ず相手に勢いを与えてしまいます。
怪我はその選手の今後のプレースタイルも変えてしまう為、怪我との戦いもラグビー選手にはつきまといます。
勿論、言葉の表現が恐怖か緊張か武者震いかは各々の感じ方によりますが、やはり心理的な面を考えればタックル成功率と大怪我の経験には相関性があると考えられます。
2.恐怖心を克服・・・自信
結論から言いいますと、成功体験を増やす事で技術や経験を身に付け恐怖を失くす事に繋がります。つまり自信を持てるのです。
理屈ではなくこの”自信こそ恐怖に打ち勝つ根拠”なとなるのです。
ただし、その為には最低限の準備は必要です。それは正しいスキルを学ぶ事に他なりません。
まだまだ、ラグビー発展途上の日本では、タックルの入り方や、タイミングも十分に掴めていないのにいタックルの練習を行っている小さな子供も多くいます。
これでは、試合でタックルを決めようなんて難しいです。なぜならば、試合では練習のとは全然違うスピードや強さで相手は当たってきます。
練習で、「これでいいの?」「もっとバインド強くすれば倒れるかな?」と悩んでいるようでは怖くてタックルなんて行けるわけありません。
タックルを覚える為に必要なのは、正しいタックルの姿勢や動作を知る事です。姿勢で言えば、スクラムの姿勢を見ていれば分かるでしょう。あの姿勢こそ基本的なタックルの姿勢です。
http://blog.goo.ne.jp/3509062609/e/410c918cb2cf11132662ae54929123f8
ただ、あくまでも基本的な姿勢です。形にこだわる必要はありません。
自分なりのタックルの形を作るのが一番です。”安全”には常に意識して下さいね。怪我をしないようタックル時の肩・胸、首をどのように当てにいくのか、これらの一連の動作を体に覚えさせる事は必須です。
姿勢が出来たら、まずは、相手に肩を当てるタイミングを掴むところから初めてください。止まっている相手に、タイミングを合わせて踏み込みが出来るようになるところからです。
下記の動画を参考にしてみて下さい。
まず、相手に肩を当てるタイミング、踏み込むタイミングをしっかり体にしみ込ませて下さい。イメージはいずれ自信となり、実際の試合でも成功率の高いタックルに繋がります。
そして、タックルが成功する回数が増えれば増える程。間違ったパフォーマンスに対する改善が出来ます。
「なぜ、このタックルは綺麗に決まったのか?」試合後にビデオを見ながら振り返りを行ってください。
・ただ、相手が真っすぐ走って来ただけだから。
・気持ちが高ぶりすぎて恐怖心などなかったから。
・タックルの姿勢が練習通りにできたから。
どんなスポーツでも同じですが、1つの試合がゴールではありません。例え何らかの決勝戦であろうともです。今後プレーを続ける以上、その先に待つ試合でプレーをし成長し続けなければいけません。
試合を定期的に行えば、必然的に相応のセンスが養えます。しかし一方で試合数に応じて怪我も増えればプレーの可動範囲が限定されパフォーマンスも落ちていく為、試合数も限られてきます。
試合に出られる選手は、1試合1試合を大事にし貴重な経験・データとして常に振り返りを行ってください。
基本敵にタックルが怖い選手は、ディフェンスも積極的ではないため、ボールが出た瞬間に前に出るスピードも遅いです。→他の選手に頼る傾向があります。
前に出れば、スペースを潰せて簡単に攻撃を止めれるにも関わらず、タックルに行くのが怖くて・嫌で、前に出る事ができないのです。
タックルについて恐怖を感じる事は、例外を除けば正しい技術や判断力そして知識を身に付けていないままで試合に臨んでしまった事がホトンドの原因です。
知識や経験の準備さえ十分なら恐怖を感じる事は減るはずです。長々と説明してきましたが、一言で言うならば、”練習不足”という分けです。ヨシッ!
3.前に出る
タックルは一度ビックタックル成功してしまえば恐怖を失う事が出来ます。恐怖心を失うどころか、観客の声援・味方からの「ナイス!」の掛け声に酔いしれ、ビックタックルが癖になる人もいます。
前に出るのは難しいですか?
アドレナリンも関係していますが、アドレナリンが上がる前に試合が決まってしまえば意味がありません。自ら上がるように高めていく必要があります。
大切なのは相手より先に攻める事です。つまり、「前に出る」最初からです。
相手にとって理想的な攻撃をさせない事も防御の目的であり、受け身になってしまえば相手が自由にプレー出来てしまいますが、
相手のプレー云々(うんぬん)以前に、「前に出る」=「戦う姿勢」がその後、数十分のプレーに響いてくる事は言うまでもないでしょう。
「15分は様子を見よう。そこから100%で行く!」なんて考えるのは止めましょうね。ラグビーは最初のペースが試合終了までずるずる続く事がほとんどです。
また、ラグビーのディフェンスは大きく2つのシステムに分けられます。
・相手との間合いを素早く詰めてタックルするシステム
・相手攻撃ラインとは間合いが遠くなりますが相手の攻撃を見て勝負所を見極めてからタックルに行くシステム
簡単に説明しますと、1番目は、前に出るディフェンス。2番目は前に出ないディフェンスです。
どちらが好きですか?
間違いなく言えるのは、前に詰めるディフェンスの方が怖くありません。
しかし、ディフェンスの人数によっては前に出れない時もありますよね。アタックが4人、ディフェンスが2人なんて時です。
そんな時は、タックルに行くというより、ゆっくり相手の攻撃をみながら、ボールを持った相手を捕まえにいくイメージが良いでしょう。
無理にタックルに行く必要はありません。
タックルは、前に出れるシチュエーションで、しっかり決める事が出来れば、チームに貢献できているのです。
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