このページでは、低いタックルが入れるようになるためにどんな練習をすればいいのか、またどのような事に意識すれば良いのか解説していきます。
体のサイズが小さいから低くタックルに入りたい。だけどスマザータックルになってしまうという人も、このページを見れば解消されるでしょう。
意識づけ
まず低くタックルに入る理由を今一度確認しておきましょう。「なぜ、低くタックルに入る必要があるのか?」
監督に言われたから。。。
体が小さいから。。。
みんなやってるから。。。
先輩が、、、、。
などなど、理由は人それぞれかもしれませんが、なぜ下に入る必要があるのか、今一度確認しておきましょう。
あなたは、「なぜ低くタックルに入るのか」説明できますか?
ボールキャリアの動きを止めるためですか?
相手を倒すためですか?
ボールキャリアの動きを止めるためや、相手を倒すためにタックルに入りますが、最終目的ではありません。
「タックルする事」が目的にならないようにしましょう。相手からボールを奪い返す手段の1つとしてタックルに入っています。
タックルに入らなくても、走って入る選手のボールを「ヒョイッ」と奪う事が出来れば、タックルに入る必要はありません。
また、体が大きく、相手よりフィジカルが強いのであれば、「低いタックル」をしなくても相手を一発で止める事ができます。
下記の画像はイングランド代表のハードタックラー、ロックのコートニーローズですが、200cm 111kg この巨漢から繰り出すハードなタックルままさに驚異です。
①狙いを定めて
②確実に首より下に入るも位置は高め
③タックルが重すぎて1発でダウン
ソース;you tube
しかし、これほど体の大きなプレイヤーはチームにいても数人くらいでしょう。残りのプレイヤーは相手を仕留めるために、相手の腰から下を狙いタックルに入る必要があります。
低く、激しいタックルを全員が出来るチームは、強いチームです。攻撃力がなくても、ゼロ点で抑える事が出来れば負ける事はありません。
それでは、低くタックルに入るための練習を解説していきます。
基本姿勢
こちらのページでも解説していますが、タックルをする大前提として、スクラムを組む姿勢が出来る事です。ラグビーのプレーにおいて、ほぼすべてのプレーにこの姿勢は通じます。
はじめは1人で壁に向かい行います。意識する点は、「頭をあげる」「背中を張る」「お尻をプリッと突き出す」です。
http://blog.goo.ne.jp/3509062609/e/410c918cb2cf11132662ae54929123f8
一人でできるようになったら、1対1で行います。
この1対1の姿勢を組みながら、上下に体を動かしたり、左右に動いたりしても崩れないようになるまで、繰り返し練習しましょう。
バックスはスクラムを組まないですが、スクラムの姿勢は必要です。特にタックルが多いセンターはフランカー同様に低いタックルが求められます。
タックルに入る位置決め
続いて、タックルに入る位置を決めましょう。低いタックルと言っても状況により入る位置が変わってきます。
試合で、迷わないためにタックルに入る位置を決めて練習しておく必要があります。低くタックルに入る箇所は、大きく分けて3箇所あります。
画像;日本経済新聞
①腰
②膝
③スネか足首
①腰
ほとんどのラグビープレイヤーは①に入る人が多いでしょう。高さ的にも肩の入れやすさ的にも一番簡単です。なので、腰へのタックルは「低いタックル」とはあまり言わないです。
しかも、ビビって踏み込まずにタックルに入ってしまうと、簡単に弾かれてしまうので、怖がらずに1歩踏み込んだタックルが必要です。1度、大きく弾かれるとトラウマになってしまいその後、低いタックルが行きづらくなってしまいます。
②膝
②の位置から下は「低いタックル」と言われる部分です。しかし、当サイトでは②の位置はオススメしません。
何故ならば、タックルに行くには中途半端な位置だからです。膝で顔を蹴られる可能性が高く、膝を大きく上げながら走る外国人プレイヤー相手には特に危険です。
また、横からタックルにいっても腕を膝で弾かれたり、ハンドオフしやすい高さのため、タックルを交わされやすいです。なので、②を狙うのであれば①と同じく激しくスピードをつけて入る必要があります。
このタックルを見習うのであれば、ワールドカップ2015で日本代表の五郎丸選手がスコッドランド戦で見せてくれたタックルでしょう。
ただし、このタックルも運が悪ければ、左膝でアゴを蹴られ一発KOとなっていたかもしれません。
③スネか足首
確実に相手のスピードを殺しタックルを成功させるのは③の位置です。当サイト管理人がオススメしたいのはこの位置です。バッキングディフェンスでタイミングよく狙いすまして横から入るプレーが多いでしょうか。
http://torigoe1974.web.fc2.com/wasedaphoto12/wasedaphoto130102.htm
なかなか、正面のタックルでこの位置を狙う人はいないでしょうが、何よりトップスピードで走ってきた相手にタックルに行く際に、抜群に効いてくるのがスネ付近を狙った真正面からのタックルです。
どんなボールキャリアもそこまで低いタックルに「えっ!」と思ってしまいます。外国人相手にも、体が倍以上あるプロップのトップスピードに対しても、この位置へのタックルは非常に効果的です。
以下は、当ページでおすすめするタックルのルールです。
・自分の体格と同じくらいの相手は①を狙う。
・②の位置は、基本的には狙わない。
・自分より体の大きい選手には勇気を出して③を狙う
どの位置でも入るだけではなく相手を倒せるようにタックルに入る姿勢からしっかりと練習しておきましょう。
続いてタックルバックに入り姿勢を体に覚えさせましょう。
タックルバックを使用した練習
タックルに入る姿勢とパックの確認としては、タックルバックを利用すればよいでしょう。
ただ、あくまでも入る姿勢と相手をバックするイメージを持つことです。タックルバックに勢いよく入れたから試合でも入れるという事にはならないです。タックルバックは動いていないですからね。
上記画像はタックルバックの広告写真ですが非常にナイスタックルです。しかし③の位置ではないです。少し高いです。③のタックルで狙いたいのは、下部の黒い部分です。実際には入れないかもしれませんが、黒い部分を狙うイメージをして欲しいのです。
「本当かよ!?そんな低くタックルできるのかよ!」
と思っているかもしれませんが、実はエディーHC時代の日本代表の合宿でも、低い位置にタックルに入る練習は行っていました。さすがエディーさん。勝つために何が必要か分かってらっしゃる。
上記画像の練習は、ジャッカルしてきたプレイヤーに対してのオーバーの練習にもなりもなります。この練習をする際は、頭を出来るだけ上げて前を向きましょう。
この低さの位置に綺麗にタックルができるようになったら、低いタックルに行くためのスキルは取得したも同然です。
次は実践です。アタックディフェンスではまずは、歩きながら確認するのもいいでしょう。歩いてくるプレイヤーに対して、入るタイミングと肩の位置を確認しましょう。
自分より一回りも、二回りも大きい相手へのタックルなので、思っているほど低く入る必要もないと思います。
慣れるまで、繰り返し繰り返し何度も練習してください。
では、「低いタックル」でピンチをチャンスに変えるタックラーになれるように頑張ってください。
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