前のページでは、試合に勝利する上で非常に大切なフランカーの卓越したスキル「タックル」と「ジャッカル」について説明しました。
このページでは、その2つを成功させる為のもう1つのスキル「コース取り」について紹介致します。
「コース取り」って何?
「コース取りのスキルって何だよ?」って疑問に感じますよね。どのラグビー用語事典を読んでも「コース取り」について説明している物は存在しません。そもそも、そんな事知りたいとは思はないでしょう。
しかし、当サイトをココまで読み進めてしまった訪問者様は知りたくて仕方がないはずでしょう。なので、これから”優秀”なフランカーの「コース取り」の素晴らしさを紹介していきます。
そもそも、「コース」と言う言葉はアタック(攻撃)の際によく使われます。
「ナイストライ。良いコースで走ったね!」
「今の縦突破は良いコースでボールをもらったね。」
など、ボールを持ったアタックの選手は皆、ボールを持って前に走れる”コース”を見つけます。
では、ディデンスの「コース取り」とは一体何なのでしょうか。。。
「タックル」に入るまでに必要な動きとして、まず、”前に出る”必要があります。基本的にディフェンスラインを揃えて皆で一緒に前に出ますが、揃える事に意識しすぎてプレッシャーが遅れるのは良いディフェンスとは言えません。出来だけ敵の陣地側で相手を倒すために早く前に出る必要があります。
そして、前に出ながら注意する必要があるのが、”ディフェンスのコース”なのです。ラックやモールなどの密集が出来た際、密集の中にいないフランカーのディフェンスの立ち位置は、下記画像の位置にポジショニングします。もちろん、タイミングによりこの位置に立てない事もあります。
フランカーが、上記の位置に居るのと居ないとでは、スタンドオフ(10番)にとって雲泥の差があります。なぜなら、フランカーのタックル範囲が広いからです。トップレベルのフランカーであれば下記の赤色エリアくらいは見てくれます。
つまり、スタンドオフ(10番)や、センター(12番)は、赤色スペースの外だけを見ればいいのです。
すごい楽だと思いませんか??
「なんかよくわ分からないけど、楽かも。。。」
と思ったところで下記の動画をご覧下さい。開始〜35秒までを確認して下さい。
明らかに、白の14番は黄色チームの21番を狙って走ってますが、その前にタックルに入ったのがフランカー(7番)の選手です。ここにはフランカーとスタンドオフとの信頼関係が存在します。
スタンドオフは、「内からあいつ(フランカー)が来てくれる」と考えてますし、フランカーは、「オッケー!俺が見てやるから、お前は外だけ見てろ!」と”頭で”というよりかは、体がそのように動いています。
フランカーは、トップスピードで前に出る。 → 細かく足を動かし止まる。 → またトップスピードで前に出る。という動きを繰り返し相手を見ながらコースを調整し前に出て行きます。
もし、動画のプレーとは異なりフランカーがタックルに行ってくれず、スタンドオフがタックルに行く事になっていたらどうでしょう。。。
トップスピードで走っくる大きい選手相手に、少し出遅れてたスタンドオフは受け身のタックルにより大きくゲインされるでしょう。そして、人数を減らされたバックス陣は苦しいディフェンスを強いられます。
このように、優秀なフランカーの卓越した「コース取り」が、味方バックス陣のディデンスに及ぼす影響はものすごく大きいのです。
もしフランカーが、あのディフェンスのコースで走ってくれてなかったら。。。
恐らく、こんな事を考える選手はいないでしょう。。フランカー特有の「コース取り」は、他の選手達にとっては当たり前なのです。
それが、フランカーの役目なのですから。
以上、試合に勝つために必要なフランカーのディフェンスに紹介致しました。是非、試合会場に足を運んだ際は、背番号6番と7番のディフェンスに注目して見てください。
では、次のページではアタック(攻撃)時のフランカーの役割について説明します。