このページではラグビーのポジションと、ポジションごとに任されている仕事について紹介します。また、そのポジションの中でもトップレベルの選手も紹介しますので、ポジションくらい知っているという方も参考にして見てください。
フォワード(FW)とバックス(BK)
ラグビーのポジションは大きく、8人のフォワードと7人のバックスに分けられます。
スクラムやラインアウトなどのセットプレーでボールを確保し、迫力あるアタックでディフェンスラインを崩しバックスにボールを配給するフォワード8人と、華麗なパス回しで相手を翻弄しトライまでボールを運ぶバックス7人です。
ソース:ウィキペディア
それぞれ、選手の特性により任されるポジションも異なります。同じフォワードの中でも5つのポジションに分けられ、プレーもそうですが身長や体重がポジションにより変わります。
さらにバックスも5つのポジションに分かれますが、身長や体重はそれほど変わりません。ただ、スピードやパススキル・キック精度などプレースキルがより繊細に変わってきます。
スクラムとラインアウトが分からない方は参考動画をご覧ください。
参考:スクラム
参考;ラインアウトからモールを押し込みトライする日本代表フォワード陣
ではまず、フォワードから紹介していきます。
プロップ(背番号1番、3番)
スクラムの最前列の左と右に位置する選手。プロップとは支柱という意味ですが、正にスクラムの要です。900㎏とも言われるフォワード総体重を支えるため、体が大きく首も太く頑丈です。ラグビー界においては人数か少ないポジションで貴重な存在でもあります。
このポジションで世界的に人気のある選手のひとり、南アフリカのテンダイ・ムタワリラ選手をご存じでしょうか。
「ビースト」の愛称で人気がある選手です。ムタワリラがボールを持つと観客席からに「ビースト!」と大声援聞こえてきます。
日本代表のリーチ・マイケル選手がボールを持つと「リーチ!」と聞こえて来てましたが、これは「ビースト!」の声援からきています。
激しく危険なプレーが多いビースト。2019年W杯での日本代表 稲垣選手への危険なタックルも皆さんの記憶に残っていのるではないでしょうか。
◆ムタワリラ プレー集↓
フッカー(背番号2番)
ラインアウトではスロワーを務めスクラムの舵取りをするフッカー、通称「マメタン」呼ばれる体型が多く身長はそれほど大きい選手はいません。相手へヒットし吹っ飛ばす事はもちろん、パスも上手く、ステップも踏める。フィールドプレーにおいては、攻撃の要として得点に絡む重要なポジションです。
日本では、サンルフルズでもキャプテンを務めた堀江選手が世界トップレベルの選手と互角に戦えるフィジカルの強さとスキルの高さを持っています。
ソース;サンウルフルズ公式サイト
2105年、2019年W杯で活躍したフッカーの中でも、世界最高峰と言われる選手はオールブラック代表のダン・コールズ選手です。
タックルも激しく、バックス並みのスピードで優勝に貢献しました。あの日本代表のSH田中史郎選手もダン・コールズ選手のタックルの餌食となっています。
ロック(背番号4番、5番)
世界で活躍するロックの身長は200cmクラスと、ラグビーのポジションの中でも一番身長が高い。身長を活かしてキックオフやラインアウトのハイボールをキャッチします。
フィールドプレーでは目立つプレーは少なく献身的にアタックしたプレーヤーの球出し(ラックのオーバー)に力を注ぐ。しかし、体も大きく足も長いためスピードに乗った時は相手ディフェンス陣にとっては脅威です。
この大きい体からは想像もつかない、突き刺さる低いタックルで相手の攻撃をシャットダウンする イングランド代表の コートニー・ローズ選手のプレーをご覧下さい。
フランカー(背番号6番、7番)
仕事人と呼ばれるポジションです。この2人の活躍が試合を勝利に導くといっても過言ではありません。
ポジションは同じですが、試合での仕事の役割は異なります。6番はブラインドフランカーと呼ばれ、第2のセンターとしてディフェンスの壁を突破する役割をします。
一方で、7番はオープンフランカーと呼ばれ、見方が捕まった時にすぐにフォローに入り、少しでもボールを前に運ぶ役割を持ち備えてます。
ディフェンスもそれぞれ異なりますが、詳細はこちらのページを確認下さい。
フランカーとして活躍した世界のレジェンドと言えばこの人。世界最優秀選手に3度も選ばれた元オールブラックス代表のリッチー・マコウ選手です。
ナンバー8(背番号8番)
スクラムの最後尾からフォワード7人に指示を送り、自らはチーム最強のペネトレイターとして相手陣地にボールを運びます。また、タックススキルも優れておりバッキングディフェンスによりピンチを救うタックルはチームを活気づけてくれます。
バッキングディフェンスがどんなディフェンスなのかピンと来ない方は下記の動画をご覧下さい。
日本代表のマフィ選手(下記動画)は、スピード、フィジカル共に世界トップレベル。ワールドカップでも各国のファンを驚かせるプレーを見せてくれました。
以上がフォワードの説明です。ラグビーはまずフォワードで勝つ事が試合で勝つ大前提となってきます。フォワードが前に出でボールを確保できなければ、パスを回してトライを取りに行くバックスにボールは回ってこないのです。
そして、フォワードの強さがイーブンの試合では、バックスは「強さ」と「上手さ」が勝負の鍵を握ります。
フォワード→バックス→トライがラグビーの得点が生まれる綺麗な”カタチ”でもあります。
それではスクラムハーフから紹介していきます。
スクラムハーフ(背番号9番)
常にボールを追いかけ走り回るスクラムハーフ。スクラムにボールを投げ入れスタンドオフにパスし誰かが捕まると、そこに駆けつけまたボールをパスを出します。
攻撃のリズムを作るのも大事ですが、スクラムハーフはパススピードとコントーロールが命。少しタイミングズがずれてしまうとバックスの攻撃を殺すことになります。
オールブラックスには、安定感抜群のアーロン・スミス。
日本代表では、田中史郎選手はスクラムハーフとして初めてスーパーラグビーに参戦したハイレベルなプレーヤー。
さらに世界に目を向けると、スコッドランド代表のグレイグ・レイドロー選手(下記動画)はパス精度もキック精度も世界トップレベルですね。
2021年は日本のトップリーグでの活躍が期待されます。↓レイドロープレー集
そして、2019年W杯で大活躍した南アフリカのデクラーク選手がいますね。デクラーク選手は、フォワードの役割もこなせるのニュータイプのスクラムハーフです。
このタイプの選手が、スクラムハーフにいると、ディフェンスでも最高のタックラーとして活躍してくれます。
2019年南アフリカが優勝した理由の1つとしてこのデクラークのタックルの存在がありました。↓デクラーク プレー集
スタンドオフ(背番号10番)
ゲームをメイクする「司令塔」と称されるボジション。パススキル、キックスキル、タックルスキルはどれも高いスキルを要求されます。
ランプレーかキックか、一瞬の判断力がトライに結びつくため、スマートな頭脳を持っていないとトップレベルで戦うには難しいポジションでしょう。
2016年,17年と2年連続世界最優秀選手にも選ばれたニュージーランド代表のボーデン・バリット選手(下記動画)は、ウイング並みのスピードでディフェンス陣を翻弄する天才として注目を浴びています。
2021年はなんと、日本のトップリーグサントリーで活躍します。
センター(背番号12番、13番)
スクラムハーフ(9番)→スタンドオフ(10番)→センターにボールが回り縦に走って敵陣に入り込んだり、外にボールを回したりとチャンスを活かすも殺すも、センターの判断は大きく左右します。
ディフェンスにおいても高い能力が求められ、正面からぶつかってきた相手選手に激しく低いタックルで相手の攻撃をチャンスに変えることが出来るポジションです。
体格は大きい選手が多く、ニュージランド代表のマーア・ノヌー選手(下記動画)は 182cm 106kgの体で、走り出したらディフェンスも止めるのがやっとです。
一方で、元オーストラリア代表のセンター 日本のトップリーグ サントリーでも大活躍のマットギタウ選手(下記動画)。
178cm 84kgと小柄な体格ながら90以上の代表キャップを持っています。日本の子供達は是非、真似をして欲しいプレーヤーです。
ウイング(11番、14番)
鋭いステップとスピード、そして足腰の強さを武器に相手を抜き去りトライまでボールを運ぶポジションです。フィニッシャーとも呼ばれます。
2015W杯 サモア戦の忍者トライで脚光を浴びた山田章仁選、2019年W杯で大活躍した福岡選手のポジションがウイングです。
ソース:朝日新聞
日本代表のウイングの大きさは、2015W杯を例にあげてみると一番大きくても山田章仁選手の 181cm 90kg ですが、強豪国は190cm 100kgのウイングを揃えています。
ニュージーランド代表の ジュリアン・サヴェア選手(下記動画)は192cm 108kgの体格で敵をなぎ倒すように突進していきます。
2020年-21年、ウイングの注目株はオールブラックの新加入した、カレブ・クラーク(初)です。ロムーを彷彿させるスピードとパワーで注目を集めています。
フルバック(15番)
バックスラインの最後の砦でもあるフルバック、ディフェンスでは1対1の場面で確実にタックルを決めたり、相手のキックボールをキャッチしカウンター攻撃を仕掛けたりします。
アタックでは、ボールを持って自分から仕掛けることも、絶妙な間合いでウイングにパスを回しトライを演出してくれるプレーも見せてくれます。
日本代表では、2105年W杯でベストフィフティーンに選手された五郎丸 歩選手がフルバックでプレーしています。
五郎丸選手がゴールキックを蹴っていましたが、フルバック=キッカーではありません。基本的にゴールキックについてはチームで一番上手い人が蹴ります。
このフルバックには世界最高のラガーマンと称される選手が何人かいます。オーストラリア代表の イズラエル・フォラウ選手はもちろんですが、19歳の若さでスコッドランド代表に選ばれたスチュワート・ホッグ選手(下記動画)は注目株です。
以上 ラグビーのポジションに大まかに紹介致しましたが、泥臭いプレーが多いフォワードと、華麗なパス回しやステップなど華やかなプレーが多いバックスの違いがある程度理解できたのではないでしょうか。
次ページより花形ポジション フランカーについて詳しく紹介していきます。良いフランカー無くしては、勝利を掴むことが出来ない理由が分かるかもしれません。