このページでは、タックルに入る際の”コツ”について説明したいと思います。タックルに入るのが難しいと感じている方は参考にしてみてください。
1.タックルのコツ・・・安全性
タックルのコツを言えども、まずタックルを入る大前提として忘れていけないのが安全なタックルです。
これは、タックルに入る側も入られる側も同じです。タックルをするプレイヤーがやってはいけないプレーは、”ハイタックル”と”相手を持ちあげて叩き落すタックル”です。
近年、ルール改正により危険なタックルは故意ではなくとも一発退場もありますので絶対にやってはいけません。
また、低く入りすぎて相手の膝に顔を蹴られたり、スピードに乗ったプレイヤーに逆ヘッドで入り首を痛めてしまう事は、選手生命に関わる怪我を負ってしまう可能性もありますので必ず意識しておきましょう。
理想は、肩を相手のオヘソ付近に当て、顔はお尻、腕を太ももの後ろに回し相手を引き付けるタックルです。
http://blog.goo.ne.jp/3509062609/e/
分かってはいるけど、試合で動いている相手に中々決まらないのが現実です。
何故ならば、相手はあなたから逃げようとするか、あなたを吹き飛ばそうとしますからね。
ちなみに、上記写真の形が良いとされている理由は、タックルして相手を倒した際、相手のお尻の上に顔が乗っかるからです。クッション的な役割ですね。
2.タックルのコツ・・・予測
試合中に絶対にやっていけない事の1つが、ボールから目を離す事です。特にディフェンスの時は、誰から誰にボールが渡るのか常にウォッチしておく必要があります。
「次に誰がボールを持つのか?」
これが分かっていればタックルは非常に簡単です。しかし、この予想が出来るプレイヤーは非常に少ないです。
特にタックルが苦手なプレイヤーはこのような思考回路すらありません。
誰が来るのか?ではなく、誰が来た。
そこからタックル行くプレイヤーがほとんどです。ボールの場所を常に確認し、アタックのポジショニング見て、相手のサインの伝達方法をウォッチし、サインを予測するのです。
1つに絞る事は出来なくでも、裏か表か?の2パターン、もしくは3パターンに絞る事も可能です。
最初は難しいかもしれません。しかし、次第にダミー選手(パスをもらわない選手)のスピードやポジション二ングを見れば分かるようになってきます。
もし、相手のサインが読めるようになれば、ディフェンスにも余裕が出来、スタミナ的にも楽なります。
2.タックルのコツ・・・コミット
残念ながら、チームを代表するレギュラーでありながら、相手に突き刺さるタックルをするという強い意志がないプレイヤーが存在するのも事実です。
「俺があいつにタックルを決める!」
と強くコミットしてください。それは、ワンプレー、ワンプレーで強くコミット(約束)しましょう。
90%以上のタックル成功の鍵は、この強い意思により決まります。
見方の為に体を張れるプレイヤーは、チームにとって貴重な存在です。
4.タックルのコツ・・・自分の能力を理解する
真っすぐに来たプレイヤーにタックルを入る事は簡単でしょう。低く構えておくだけでいいのですから。
しかし、問題は右に左にステップを踏まれる相手に対してではないでしょうか。反応出来ない、ステップに付いていけない。
タックルに入れなくて悩むプレイヤーが多く存在します。そんなプレイヤーに共通するのが、そもそもタックル出来る”能力”が無いという事です。
この”能力”について、もっと分かり易くお伝えすると
・足が遅い
・反応(リアクション)が遅い
・筋力がない
といった点です。もし、自分の対面(トイメン)の選手より劣っているのであれば、まずは上記を改善する必要があります。
ラグビーは15人のチームスポーツではありますますが、1人1人が対面の選手より勝っていれば、試合結果も同じです。
もし、能力が無い今のままでタックルを決めたいのであれば、次に誰がボールを持って走ってくるのかを、的確に予想する事です。
予想が出来れば、相手がボールを持った瞬間にタックルに入れ、ビックタックルを決める事が出来ます。
とは言え、現実的に中々難しいでしょう。
このページを見えている人は、ある程度能力が備わっており
・足も遅いわけでは無い
・反応も悪いわけでは無い。
でも、タックルが綺麗に決まらない。。。という選手が多いでしょう。
以下にて”タックルのコツ”をお伝えいたします。
タックルのシチュエーションと難易度
タックルに入るシチュエーションを下記3つのレベルに分けてみました。(他にもたくさんありますが。。。)
LEVEL1
・マークしている相手がボールを持って当たってくる。
LEVEL2
・ボールキャリアを1対1でマークするも十分なスペースがありステップを切られる。
LEVEL3
・マークしている相手が、自分のディフェンスのスペースに走り込んでくる
上記のLEVELまでは、必ず仕留めたいところです。ポジショニングも大事ですが、やはり一番大事なのはタックルスキルです。
一番簡単な、LEVEL1から見ていきましょう。
LEVEL1
LEVEL1のシチュエーションは、ラックサイドをイメージすると分かり易いでしょう。
ボールキャリアがポイント作りのためだけに素直に当たってくるラックサイドのディフェンスこそ、一番ピンポイントにタックルが入るチャンスでもあります。
ここで強いアタックにつながるタックルに入ることが出来れば試合の流れが大きく変わってきます。
相手も、惰性でポイントを作りにきている事があるので、激しいタックルをお見舞いするチャンスです。
狙い目は、極(ディフェンスに当たる瞬間)でボールをもらう選手です。
ボールキャリアの中でも、極でボールをもらうのが好きな選手もいれば、早めにボールをもらいたい選手がいます。
早めにボールをもらってくれる選手は、ディフェンスも前に出れるので、前で止める事が容易ですが、タックルされる事を前提に当たってきているのでしっかりと構えています。
ただ、極でボールをもらう選手はスピードをつけて、前に前進することを目的として突っ込んできます。
ここで低いタックルに入る事が出来れば、いっきにチャンスに転がるかもしれません。
この時におススメのタックルを紹介します。気持ち大袈裟に低く構える事です。
両足を前後に開き、頭を上げ、相手の膝の高さに肩を合わせる。獲物が罠にかかるようなイメージです。
膝の高さに肩があれば、トップスピードで入ってきたボールキャリアも当たる事も出来ず、タックルが低すぎてターンも出来ません。
注意しなければいけないのは、両足が揃わない事です。両足が揃っている状態では、いくら姿勢が低くても少しの衝撃で後ろに倒れてしまいます。
必ず、前後に足を広げ、低い体勢を保って下さい。下記画像の山田選手のような姿勢が出来たら最高ですね。
<右肩でタックルした場合>
1.低い姿勢で相手のスピードを止める。
2.①と同時に両腕で相手を掴む
3.左手で片足を持ち胸元に引き込む
4.②をしながら右肩で相手の腹を“真っすぐ押し込む”を意識しながらドライブ
一昔前までは、2の後は、“かち上げてから真下に叩き落とす“でしたが、昨今のルールでは危険なプレーとしてペナルティーが取られてしまします。退場になる可能性もあります。
続いてLEVEL2の1対1でステップを切られるシチュエーションです。
LEVEL2
バックスだとウイングの1対1のシチュエーション、フォワードだとキックチェイスのディフェンスをイメージすると良いでしょう。
スペースがある時点でアタックが有利なのですが、ステップはディフェンスし易い方向に踏ませるようにしましょう。
下記のポジショニングであれば、ライン側にステップを踏ませるだけです。
細かく足踏みしながらスピードを緩め、相手の左肩と自分の左肩を合わせゆっくりゆっくり間合いを詰めます。
相手が我慢できなくなって仕掛けてきたら、後は仕留めるだけです。
注意しなければいけないのは、相手が左にも右にもステップを踏めるポジショニングを取ってしまう事です。
下記画像のポジショニングだと、相手の選択肢は左右両方に出来てしまいます。
むしろ、「左から抜けますよ。どうぞ!」くらいコースをお膳立てしてあげるくらいが丁度良いかもしれません。
スピードを緩める事が下手な人は下記動画の練習を取り入れていきましょう。
◆Tドリル
はやりこれらの動きはラグビーでタックルを決めるうえで重要なスキルです。
◆スタートストップ
◆こちらの動画も参考になります。
間合いがある中での1対1の勝ち方は、如何にディフェンスが有利な方にステップを踏ませるかにあります。
どれだけ左にステップが踏まれないようにディフェンスをコース取るか、どちらにもステップが踏みやすいようにコース取りをするかで雲泥の差が出ます。
オーストラリア代表のマイケルフーパーやフランス代表のデュソトワールなどの有能なハンターは、自分がタックルしたい方向に相手を追い込むのがとても上手い選手です。
デュソトワール選手は、1試合のタックル数歴代1位(下記動画)の物凄い記録を持っているタックラーです。
続いてLEVEL3のマークしていた相手が、自分のスペースに走り込んでくる時です。
LEVEL3
このシチュエーションはアタックとディフェンス人数が合っている時です。
アタックと人数が合っている時はどのようなシチュエーションなのか。分かり易いシチュエーションだと、カットインが分かり易いでしょう。
下記画像のように、12番と13番の間を狙ってブレイクするコースです。
多いのが、反応が遅れ飛びこんで手だけでタックルにいってしまうパターンです。
“手でだけでタックル”
小学生相手であればこれよいかもしれません。しかし、同じ体格の選手がトップスピードで走ってきたのであれば、手だけでタックルに行った場合、止める確率は格段に低くなります。
上手くジャージを掴む事が出来れば、しがみつく事は出来ますが、ハンドオフではじかれたり、外国人選手相手であれば膝で簡単に弾かれるでしょう。
相手がスペースを突いてきた時、特に横から入るタックルで意識したい事があります。
常に意識し実践すれば、横から足に目掛けて飛び込むタックルも肩をぶつける事を意識しておけば、手が弾かれる事もなくなるでしょう。
走って来た相手に対して”タックルに入る”ではなく、相手に自分の”肩をぶつけに行く””肩を放り投げる”と意識してみましょう。
飛び込み癖がついてしまっている選手は、頻繁に手だけでタックルに入る傾向にあります。
タックルが決まりそうもない距離から飛び込む事も多々あります。
これからは、意識を変えてみましょう。
タックルは、相手に肩をぶつけてこそ激しいタックルが決まります。
肩がぶつかればタックルも一段と激しくなり、激しい衝撃を受けた相手は立っている事が難しいです。
肩をぶつけて、しっかりと相手をバインドして下さい。
肩をぶつけにいくのが怖い人は、しっかりとウエイトトレーニングをして筋肉で鎧をつけましょう。肩パットは意味がありません。
最後に、走力についてお伝えします。アタックはもちろん、ディフェンス能力も足の速い選手が有利です。
こちらのページでは1時間のトレーニングで走速アップを実現した方法をお伝えしますので是非ご確認ください。