このページでは「ジャッカル」というプレーについて説明いたします。フランカーの卓越した技術の1つでもありますが、このプレーを理解すると試合中にレフェリーが笛を吹いて試合を止める理由の1つが明確になり、さらに楽しく試合を見れるようになります。
ボールを奪う技術
ざっくり言いますと「ジャッカル」とは、タックルされて倒れたプレーヤーからボールを奪うプレーです。下記画像のように。
ソース:サントリーラグビー部HP
ラグビーの試合では、相手攻撃のボールを奪ってからのプレーで得点が生まれることは非常に多いです。つまり、「ジャッカル」が成功すれば、それだけ得点が生まれるチャンスが増えるという事になります。
タックルに入った瞬間に相手がボールを落とすような激しいタックルが毎回決まれば良いのですが、そんなに簡単ではありません。
ソース:慶大スポーツ新聞会
相手ボールからマイボールになるパターンとして多いのが、相手が「ミスをする」または「反則を犯す」。それとも、相手から「ボールを奪う!」かです。
ラグビーの試合で密集が出来ると、レフェリーが「ノット・リリースザ・ボール!」と言い、下記のような動作をしながら笛を吹いているのを見た事があリませんか?
ラグビーでは、寝たらボールを離すのがルールですが、「ジャッカル」でボールが奪われそうだからと言ってボールを離さないでいると反則を取られてしまいます。
この「ジャッカル」のスキルを持っているのはフランカーだけではありません。プレーヤー全員が持っているスキルです。ただ、誰が一番優れているか?という点ではフランカーが一番優れているのではないでしょうか。それは試合中のジャッカル回数を見れば歴然です。
これから「ジャッカル」において世界最高峰と称される選手達を紹介します。どの選手も世界のラガーマンのお手本とされる男達です。
ジャッカルの手本
まず、1人目は日本のトップリーグ サントリーにも所属し優勝にも大きく貢献したジョージ・スミス選手。オーストラリア代表のキャプテンも務めたことがあり、29歳の時には史上最年少で100キャップに達しています。
特に、タックルした次の瞬間にボールを奪うプレーはまさに天性の感覚と卓越したスキルを持って成し得る技です。
そして、同じくオーストラリア代表でパナソニックでもプレーしたデヴィット・ポーコック選手。あのジョージ・スミス選手から代表のオープンフランカーの座を奪った選手です。
生粋のボールハンターであり、「ブレイクダウンマスター」と称される彼の美しい「ジャッカル」をごらんください。
そして、最後にヨーロッパラグビー界の「ジャッカルの名手」ウェールズ代表のサム・ウォーバートン選手。リーダーシップがあり、2011年、15年のワールドカップでは主将を努めています。
190cm近い身長ながらも地面スレスレのジャッカルを連発しチームのピンチを救います。ウェールズ代表の試合ではこの選手が試合に出ると出ないとでは、天と地の差があると言っても過言ではないでしょう。
YouTubeで名前を検索して「jackal king」と予測キーワードが出てくるのはこの選手くらいです。
日本で有能なボールハンターと言えばこの人でしょう。日本代表でもゲームキャプテンを務めたことがあり、サントリー時代はトップリーグ優勝も経験している佐々木 隆道選手は、世界に通用するオープンサイドフランカーです。
ソース:トップリーグHP
如何でしょうか?
タックルをして、尚且つ相手ボールを奪いピンチをチャンスに変えて攻撃を仕掛ける!
優秀なフランカーがいないと、「相手がミスをしない限りマイボールにならない」と言っても過言ではないのです。
「タックル」と「ジャッカル」
もう覚えましたね。そして、フランカーのディフェンスにおいてもう1つ、知っておいて欲しい卓越したスキルがあります。もしかしたら、このスキルを持っていないと「タックル」も「ジャッカル」も成功しないかもしれません。