2019年W杯もあのフランカーに注目!?

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2019年は初めて日本でRWCが開催される歴史的な年とった。そのRWCの歴史の中には、勝敗を左右したフランカーが何人も存在した。

 

日曜日には宗教上の理由で試合に出なかったにも関わらず、ニュージーランド代表に選出され続け、縦横無尽な働きを見せたマイケル・ジョーンズ。
↓マイケル・ジョーンズ

 

主将として2011年、2015年WRCでオールブラックスを優勝に導いたリーチ―・マコーとスタイルがよく似たオープンフランカーだ。彼は、フランカーを語るうえでは外せない存在だろう。

 

そして、その鋭い動きで“ホワイトシャーク”と呼ばれ、敵チームに恐れられたスコットランド代表のジョン・ジェフリー。

 

そしてリッチー・マコウを上回る数のタックルを決め、TV中継の解説者清宮克幸氏(元ヤマハ発動機監督)に「いい面構えをしてますね。」と言わしめたフランス代表の主将のティエリー・デゥソトワールと、強烈に印象を残すフランカーの選手がいる。
↓デゥソトワール

 

もちろん日本にも、NZから2トライを挙げた梶原宏之(山梨学院大学監督)や、ディフェンスの神髄を築いた野澤武史のプレーが光っていた。

 

 

そもそもフランカーとは、軍事用語では側兵・側面部隊を指し、スクラムの両サイドに位置して、俊敏な動きとそのスピードで、タックルに、ボール争奪戦に、そし力強いランプレーとアグレッシブに働き続ける華やかなポジションである。

 

そしてスクラム最後尾に位置するのがNo8と呼ばれ、この3人が第三列と呼ばれる。そしてフランカーはブラインドサイド(狭い方のサイド)・フランカーとオープンサイド(広い方のサイド)フランカーに分かれる。

 

基本的にタックルが強いのは大前提として、前者は突破力が求められ、後者は機動力が求められる。

 

またNo8はかつてのラグビーでは、サイズの大きい選手が密集戦でハードなファイトを繰り広げるというタイトなイメージがあったが、

 

現在では強烈なランプレー、デフェンスラインの綻びを埋めるディフェンス、相手キックの処理など、幅広いフィールドプレーが求められる。

 

このためフランカー・No8の両方をこなす選手が多く、場面毎にポジションチェンジをするチームも見られる。そしてあらゆるプレーに絡んでいくため、チームの主将に抜擢される事も多い。

 

ただ日本の場合、右フランカー・左フランカーと位置を固定したチームが多く、以前(といっても30年以上前だが。)はラインアウトのスローワーも務めてきた。(蛇足だが、オーストラリア《AUS》ではウイングがスローワーを務めていた時期もある。)

 

そして2019年大会にも注目されるフランカーがいる。ただ今この時点では各国共最終スコッドが決定しておらず、コンディションの影響もあるため、これらの選手がRWCに出場出来るか否かは断言できないが、その名前を羅列しよう。

 

優勝候補№1

まずは優勝候補No1のNZ代表チームの主将を担うキアラン・リードである。ポジションはNo8であるが、所属のクルセイダースでは前キャプテンのオープンサイドフランカーのリッチー・マコウと、ブラインドサイドフランカーを組む。
↓キアラン・リード

かつてはバイ・プレーヤー的な役割であったが、攻守共にクレーバーな読みから常にプレーに参加し、接点での激しいコンタクトとタックル、ボールキャリアとしてロングランを可能にするスピード、

 

そして何よりも抜群のキャプテンシーを誇る。また、RWC終了後は日本のトップリーグ(TL)のトヨタ自動車ヴェルブリッツに参加する事が決定している。

フランカーはこの人無しでは語れない!

そしてAUS代表の主将も務めたマイケル・フーパーは、182cm.101kgと世界的レベルから見るとかなり小柄であるが、常にチームの先頭に立ちタックルを決め、低い走りからのからの猛突進、

そしてタックルをして倒した相手から素早くボールを奪う(ジャッカル)の名手である。まさに「休むことを嫌う男」といったタフさで日本人プレーヤーの憧れの選手として、このフーパーの名前がよくあがる。

↓マイケル・フーパー

 

同じAUS代表から激しいプレーが持ち味のデビッド・ポーコックも注目したい。強烈なタックルからのジャッカルを得意技として、「世界最強のボールハンター」と呼ばれている。

 

2016年度より日本のTLのパナソニックワイルドナイツに所属し、日本でもおなじみの選手である。やはりオープンサイドフランカーであり、フーパーとのポジション構成が注目される。
↓デビッド・ポーコック

フィジアンマジック

そして多くの選手が海外のチームに所属し、強豪チームを脅かす存在となってきているフィージー代表では、多くの選手が海外のチームに所属して磨きをかけている。

 

そういう意味ではややチームプレーに不安が残るものの、「フィジアンマジック」と呼ばれる華麗で意外性のあるパスワークとラン、そしてコンタクトプレーでの強さが加わった、ペゼリ・ヤト、ドミニコ・ワンガニンブロトゥのフランカー陣がいる。
↓ワンガニンブロトゥ

 

恐らく我々が思っている、フランカー像とはまた違ったプレーが見られるであろう。

アイルランドは本当に強い!

そして我が日本代表が、一次リーグで相まみえる事となるアイルランド代表には、

 

存在感のあるリーダー陣の1人ピーター・ホマーニーと攻守にスピードがあり、ハードなプレーで欧州最優秀選手に選出されたこともあるオブライエン達がいる。

 

伝統的に地味ではあるがディフェンスやスクラムを土台に、手堅く勝負を仕掛けるチームカラーだけに、フランカーの存在は大きい。

 

またスコットランド代表は若手、ベテラン勢で激しいポジション争いが行われているが、やはり「スコットランド魂」と呼ばれる激しいプレーが信条なチームカラーだけに、フランカー陣は常に好選手が生まれている。

日本代表のフランカー

そして日本代表だが、主将のリーチ・マイケルは世界の中でも注目を浴びているが、やはり布巻俊介選手に注目したい。

 

高校時代にはセンターとして高校日本代表にも選出されていて、早稲田大学時代も当初はバックス(BK)だったが、自分の意思でフランカーに転向した。

 

178cm.98kgと恐らくRWC出場のフォワードの選手の中で最も小柄になると思われるが、低く鋭いタックルと、BK仕込みのボールキャリア、素早いパスや長いパス、そしてキックと実に多彩なプレーをみせる。

 

何より、今の日本代表で相手ボールをマイボールに変える攻撃的なタックルを持っている選手は、布巻選手以外にはいないだろう。

 

彼が見せるプレーがエッセンスになると、また一つ日本代表チームの厚みが増すはずである。

 

「ラグビーは少年をいちはやく大人にし、大人にいつまでも少年の魂を抱かせる。」これは小柄な体(公称180cm.85kg 本当はもう少し小柄だったと思われる。)でRWC以前のフランス代表チームを牽引した、今や伝説となった“小さな闘将”ジャン・ピエール・リーヴの言葉である。


ソース:http://www.sporting-heroes.net/

彼もまたフランカーであった。ピッチの上で次々と大男をなぎ倒す様は、当時 世界中のフランカーに衝撃を与えた。

 

さあ、ジャン・ピエール・リーヴのように観客を大いに沸かしてくれるフランカーのタックルがワールドカップでも見れる事を期待しよう。







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